ChatGPTによる午後のワークショップ(2023年3月3日)の多言語のまとめ
Researching the Intimate: Methodological Issues and Insights into studying Japanese-Filipino Intermarriages

セブの移民コミュニティ韓国語教室

Korean Class for Migrant Community in Cebu
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Author

Sun Wonsuk

フィリピンのセブ市にある韓国語教室の世話人である韓国人教会の牧師は、韓国語教室を開設した理由をこう語った。フィリピンの中部、観光地として知られるビサヤ地域の中心都市セブに、韓国人移民と、韓国人とフィリピン人の間に生まれた子どもを対象に運営されている韓国語教室がある。私がその教室を尋ねたのは2023年3月、乾季と雨季に分かれる常夏の、フィリピンでも暑さがピークを迎える4,5月の前の日本の初夏のような季節だった。その教室の名は「우리한글교실」。直訳すれば、「我がハングル教室」というところか。

セブにあるこじんまりした韓国人教会が運営している。

教会は2013年に現在の牧師がセブに来て開いた、いわゆる「開拓教会」。セブ市の代表的なオフィス街の一つであるITパークから車で10分ほどの幹線道路沿いのビルの一角にある。私が訪問したのは土曜日の午前。教室は10数人の子どもと付添の親たちでにぎわっていた。子どもの年齢は就学前から中高生までと幅広く、親にべったりくっついて何かをおねだりする子もいれば、同年代の友たちとお喋りに夢中の子まで、子どもたちが集まるところであればどこでも見かけそうな風景だった。

入り口から入ると正面に高い椅子のカウンターバーが目に入る。カウンターの向こうにはコーヒーマシンがおいてあって、まるでカフェのような雰囲気だ。そのカウンターに座って牧師さんが作ってくれた美味しいアイスコーヒーを飲みながら話をしていると、勉強が始まったのか子どもたちがみんなそれぞれの部屋に入って姿が見えない。あらためて周りを見渡して見ると壁際の本棚に本がぎっしり並んでいるのが目に入った。キリスト教関連書籍の他に絵本や児童書、大人向けの一般書まで3〜4000冊はありそうだ。韓国語を学ぶ子どもだけでなく、信者や家族がここに来て「韓国を感じてほしい」、「韓国のアイデンティティーを持ってほしい」と誰でも自由に韓国の本を手に取れるようにしたかったと牧師はいう。

韓国語教室に来ている子どもは現在30人前後で、両親が韓国人の家庭が多い。韓国企業の駐在員として赴任している親に伴ってきた子ども、セブ市で個人ビジネスを営む移民の子ども、それに韓国人とフィリピン人と間に生まれた国際結婚家族の子どもが5〜6人いる。教室はコロナによるパンデミック前の2018年に始めた。韓国語教室を始めた理由を尋ねると、韓国人とフィリピン人の家族(以下、韓フィル家族という)を含め韓国人移民家庭の子どもたちに韓国語を学ぶ環境を提供して移住してきた子どもの韓国語能力の低下を防ぎ維持することにあると言い、「韓国文化圏、言語圏を提供する」ことに目的があると牧師は語った。

とくに韓国・フィリピン国際結婚家族には特別な事情がある。韓国人夫は英語ができてもローカル言語のセブアノはできないし、フィリピン人妻は韓国語ができない。互いに第1言語でない英語を使わなければならないので、家庭内のコミュニケーションに問題があるように感じたと、牧師は言う。子どもとのコミュケーションでは問題がもっと複雑になる。子どもが成長すると英語とセブアノが上達していくために、父親とのコミュニケーションが次第に難しくなる。こうした課題に対して、家庭内で父親と子どもが意思疎通が可能な家庭を作る、維持することが家庭を救うことにつながると思って始めたのがこの韓国語教室だった。子どもが成長して韓国に留学するかもしれないし、将来、韓国とフィリピンの架け橋になってほしいが、いずれも韓国語ができるにこしたことはない。

アメリカをはじめとするキリスト教文化圏での韓国人移民社会にとって、教会は移民コミュニティーの中心的な役割を担っていることはよく知られている。教会が子どものための韓国語教室を運営することについて、牧師さんは子どもたちが「韓国文化圏の中にいるのが大事」だという。韓国人教会は小さい韓国であり、礼拝後は、韓国食も食べる。子どもは大人に挨拶もするなど韓国文化に馴染む練習もできる。子どもたちは友たちができ、遊ぶ機会が生まれる。聖書の勉強会もあって韓国語講読もするし、韓国人学校がないセブでは教会がその役割を担う側面もある。教会には小グループ活動もあって、韓国人と結婚したフィリピン人女性が韓国語と韓国文化に接する場にもなる。こう見ると韓国人教会はセブ移民社会において安定的なコミュニティそのもののように感じる。

教室はコロナによるパンデミックのための長い休みを経て去年秋に再開された。教会は場所を提供して10週を1シーズンとしてすべてボランティアによって運営され、子どもたちはおやつ代と教材費として2000ペソを負担する。インタビューの最後に牧師さんは、これまでの活動に成果を感じると言いながら、将来的には教室を成長させ、幼稚部から小学校までの学校を作り、その中に韓国語教育システムを入れていきたいと抱負を語った。

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