越境する日本人国際結婚家庭の教育意識-アジア五か国でのライフストーリーから
本稿は、日本学術振興会科研費番号20H01648による「越境する日本人国際結婚家庭の教育意識-アジア五か国でのライフストーリーから」(2020年4月1日~2024年3月31日)の中間報告書である。 この研究プロジェクトの目的は、中国、韓国、フィリピン、タイ、シンガポールに居住する、日本人の親とその配偶者の子育てについての語りを考察することであった。しかし、コロナウイルス(COVID-19)の流行による渡航制限のため2020-21年の間に現地でのインタビューやフィールドワークを行うことができなかった。それにもかかわらず、各国の研究協力者の献身的な努力やオンラインによるインタビューの活用により、これまでに合計39人へのインタビュー、4回の全体オンラインセミナーを開催して知見を蓄積・共有し、最初の2年間でプロジェクトに求められる最低限の要件を満たすことができた。 後半の2年間では、渡航制限の緩和を待って、積極的な現地調査を進めていけるように柔軟に対応していきたい。
本報告書では、1章でプロジェクトの概要と今後の方向性を、2章でプロジェクトの背景を、3章で中国、韓国、フィリピン、タイ、シンガポールのレポートをそれぞれ紹介する。